アジアンプロレス博多大会観戦記(15.11.7土・さざんぴあ博多) | Facebook



急きょ博多で大会を開くというアジアンプロレス。これまでかたくなに寒村や離島専門に全国各地をまさに「どさ回り」してきたアジアンが、おそらくはじめて「100万都市」で大会を開く。しかも例によって一切告知はおろか、営業もしない。当然だが満員になどなりはしないのだが、それでも団体運営は成り立っている。まさに謎だらけのアジアンプロレス。

 

さざんぴあで何をとち狂ったか大会を開くというのはある意味、今までになかったことである。果たしてアジアンはいつもどおりのアジアンをみせてくれるのだろうか?

 

それにしてもこれだけ入ってないさざんぴあははじめてみたかもしれない。もう下衆なマニア心をくすぐるには冒頭から十分すぎた。

 

第一試合 ○KAZE対×ゼファー

 

カード聞いてKAZEとゼファーが1日3試合でる(KAZEは4試合か・・・・)と聞いて既にげんなりしていたのだが、ふたをあけると意外とまともな試合になっていた。もともとおふざけなしでやれば、アマレスの下地もあるKAZEもそれなりにはできる選手なのだ。

 

ただしプロレス頭はからっぽに近いので、いくらベースがよくてもらどうにもならない。だからかなり甘く見積もって、という話になる。まあ、このキャリアの人間が1日3試合する引き出しがない方が問題ではあるし、それくらいのスキルはKAZEにもあることはあるのだ。

 

でも以前と決定的に違うのは受け身に難があり、試合運びも雑なゼファーが、北九Zの中では1番試合数が多いということである。それも比較的上手い選手と対戦経験を積んできたので、普段はあまり思わないが、あれでもゼファーが進化していたのだ。

 

グラウンドではさすがにどうにもならないが、スタンドや空中戦では前よりずっといい感じになっていたし、シングルマッチの体が整っていただけでもよしとしたい。

 

ただ、ラストはやはり頭から垂直落下していくタイガースープレックスで、事実上のKO負け。ここだけは進化していなかった…

 

第二試合  ×アジアンマスク対○ヴァンヴェール・ネグロ

 

アジアンマスクって誰だろうと思ったらタイツで正体がわかってしまった。いや、素顔の時のタイツ履いてマスクマンとか無理があるだろ!

 

以降はアジアンマスクの正体が「あの人」という前提で書いていくけど、長期欠場から復帰してきた割には動きは悪くなかった。ただ、オタク気質がある割にヒーローたるものがまるでわかってないのは相変わらずである。

 

そういえば巡り巡ってこの顔合わせは、あの門司みなと祭り以来か!あの時はルチャしかできなかったネグロが本人の努力の積み重ねで、色んなスタイルに適応できる選手に成長していたのも感慨深い。今ならみなと祭りみたいに、彼の試合をみて帰る人は少ないだろう。

 

マスクはぎも、もはや誰もが正体を知ってるのにネグロが「みたいか?」と観客席にいうと「見たい」とあちこちから声が返る。それだけでなく、ネグロ自ら「見たい!見たい!」とコールをあおり、面白半分にお客もそれに乗っかる形で結構盛り上がった。こういうお客との掛け合いができるくらい成長しているのもネグロのいいところである。

 

その分アジアンマスクが楽していたんだけど、まあ病み上がりなんで、あまり深くは追求すまい。基本的にKAZEもアジアンの中身も畠中の前だといい試合をすると聞いていたので、やはりこの2人にはお目付役がいるなあ、と思った。やはり団体を運営するにはむいてないんだろうなあ。

 

ラストはスワントーンボムでアジアンマスクが辛勝。辛勝にみえたということはほとんどネグロのおかげだとは思うけど・・・・

 

第三試合 3WAYマッチ ×KAZE対ゼファー対○幸村ケンシロウ

 

3WAYなのに、KAZEとゼファーはまとめて呼ばれる雑な扱い。そして同じテーマ曲で幸村登場。ベテランでも雑は雑だな。さすがアジアン。進行はサクサクしてるのに、どこかまったりしたゆるさが漂う。下衆なマニアにはたまらない空間だと思う。

 

こちらでのKAZEは完全なお笑いモード。ケンシロウについたかと思えば、ゼファーと組むなど典型的な小物悪役を嬉々としてやっていた。やはりこの男に団体の代表とか総帥とかは似合わない。

 

しかし、おちゃらけ半分で試合を進めつつも、連戦の経験が少ないゼファーを休ませたり、幸村の関節地獄に付き合ったり、いつになく気味が悪いくらいKAZEが真面目に仕事をしていた。こんなKAZEが見られるのは多分アジアンだけだろう。どんだけ畠中が怖いんだ?

 

最後は新必殺技の名前を叫んでいるうちに、幸村に切り返されてフォール負け。勝ち名乗りをうける幸村から「スーパーなんちゃらかんちゃら」と恥ずかしい必殺技の名前を大声で叫ばれて頭を抱えながら退場するKAZE。

 

内心美味しいと思っているんだろうけど、先輩がある程度引き立てるとそこそこ見られる試合する傾向はあまり変わらないのかもしれない。

 

メイン 10人タッグマッチ ×畠中浩旭・二代目上田馬之助・KAZE・ヴァンヴェール・ネグロ

対 ミスター雁之助・維新力浩司・○新泉浩司・幸村ケンシロウ 

 

地元九州勢を1日数試合でこき使い、アジアンレギュラーはメインの十人タッグとバトルロイヤルにしかでない。いやあ、アジアンテイストだなあ。

 

そして、殆どの選手がかけもち試合しているのに、新泉が試合にでるため、この試合から谷口勇武が裁くことに。あれ?なんか似たような人がさっきいたような気が…目の錯覚?

 

それにしても畠中は体型が物語る不健康な太り方していて、若い頃の面影は微塵もない。そりゃ糖尿にもなるよなあ。しかし猪木さんも糖尿もちだから、体型とはあまり関係ないといえば関係ない。

 

しかし、畠中はこんな体型の割には試合数こなしているせいか、動きは悪くない。確かに引退〜復帰組になる雁之助や維新力の方がシェイプしているとはいうものの、やはり若い頃鍛えられた財産だけでもなんとか試合はできてしまうのだ。

 

試合というか、ストリートファイトマッチでもないのに、場外乱戦でスタート。場外戦というのは盛り上がりに欠ける観客席になだれ込んでいわば無理やり火をつけるやり方で、過疎地をまわるアジアンにはぴったりしたやり方。

 

しかし両方にいかついオッさんが混じっているせいか、どっちがベビーでどっちがヒールかわからないなあ、と思っていたら新泉が馬之助につかまり流血。普段は無類の強さがウリの新泉が、自分より大きな選手に囲まれて苦戦しているサマというのはなかなかお目にはかかれない。

 

これで新泉に声援が集まりやすくすると、畠中もヒールの仕事をしはじめる。手下(KAZEとネグロ)を手足のように使い、馬之助との連携もいい感じに進めていく。

 

しかし、久々にみる雁之助も維新力も本当にコンディションがいい。やはり対角線に彼らがいることで、九州では見られないスペシャル感が感じられた。

 

そして頑張った新泉がラストは畠中から逆転勝ち。代表がいい顔しようと思えばできるのに、それをしないあたりが畠中らしいなあと思った。畠中が最後にいい格好するだけなら、これだけ選手がついてはこないだろう。

 

*全選手参加バトルロイヤル

 

全選手参加といいつつ、アジアンマスクはでないよなあ、とタカをくくっていたら、何とアジアンマスクがいつの間にかリングに!代わりにさっきまでレフェリーしていた谷口がいない…

 

リングアナ氏が「全選手参加バトルロイヤルですので、レフェリーがいません。どなたかにレフェリーをやっていただきます」ととんでもないことを言い出した。まあ、こういうのは仕込みだから…と思ったらどうもリングに上げられたのは本当に観客らしい。

 

ところがアジアンのバトルロイヤルは時折レフェリーを巻き込みつつ、実に巧妙に進行していた。アクセントで馬之助がレフェリーに絡みながら、まずお約束で代表の畠中が脱落。そして気がつくとリングにはゼファー、KAZE、ネグロの三人が残った!

 

ここで散々裏切らたゼファーはKAZEに不信感バリバリ。しかしKAZEは割と隠すことなくゼファーを仕留めてしまい、ついにネグロとの2人残りに!

 

バトルロイヤルとはいえ、まさかのブラドリ対決。しかし馴れ合うと見せかけて、KAZEは普通にネグロを攻撃。

 

しかし、さすがに手の内を知るネグロもこれに呼応。一瞬の隙をついてKAZEを丸め込んだ。

 

どういう形にしろアニキ分に勝ったというのは、それだけネグロの頑張りを皆が認めたということだろう。

 

素人レフェリーがさばきにくい展開もなく、複雑性もないが、あれは素人に気を使って皆が試合した賜物だろう。いわゆるネタとマジの境界線をぼかして、選手の技量で試合を成立させたと言ってもいい。だけどこんなゆるさが認められるのはアジアンくらいなもんだろう。ほかの団体がやれば私もたぶんキツイことを書いていたと思うし。

 

試合後勝ったネグロの博多一本締めで、最後は全選手のカーテンコールで大会は無事閉幕…と思ったら、KAZEがいきなりマイクをもち「実は重大発表があります」と言い出した。

 

曰く「北九Zの代表をがちでやめた」というもので、「詳しくはリング撤収を手伝ってくれたら」教えてくれるらしい。しかし誰もそんなことには興味がないのか?売店すら立ち止まる人すらなく黙々と出口を目指す観客....

 

結局ほとんど手伝い手もないまま、いつも通り撤収が行われる中、私も足早に会場をあとにした。でもよく考えたら休憩時間入れて5試合で一時間半。開始時刻が5分ずれこんだ以外はまったく進行によどみがなかったのは、ある意味すごい。まったりとゆる~い空間なのに誰も飽きてないし、それでいて大して盛り上がってもいない。

 

とどのつまり、離島であろうと寒村であろうとさざんぴあであろうとアジアンはどこへ行ってもアジアンなんだなということが、初めて生で見て理解できた。ちらっとマイクでもいっていたが、一切告知してないのに、九州ツアーを組んでまたどっかの街にいくらしい。それもまたアジアンプロレス^^

 

本当私のようなB級好きの、ゲテモノプロレスマニアにはたまらない空間だった。またみてみたいなあ、アジアン(笑)

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